感謝の気持ちをもつ
稲盛和夫氏(京セラとKDDIの創業者、JALの名誉会長)は、利己的な考え方では、社内に和を作っていくことはできないと述べておられる。常に周囲への感謝の気持ちを持ち、お互いに信じあえる仲間となって仕事を進めていくことが大切であるとおっしゃっている。
これは普遍的で大変重要な教えです。感謝の気持ちや言葉は国境を超えてどこでも、誰にでも通用するものであり、チームワークを考える上で最も大切な要素です。どんな商品・サービスであったとしても、様々な人の手を経て最終消費者に届くのが一般的です。その商品やサービスを作り出す時に、社内に人の和がないと、お客様に喜んでもらえるものは作れません。なぜなら、商品やサービスにはそれを作る人の心が反映されるからです。
従業員にいくら感謝の気持ちを持つように指導したとしても、すぐには効果が出ないでしょう。感謝の気持ちは従業員自身が満たされていないと、なかなか湧いてこないものだからです。従業員の心が感謝であふれるように従業員に接するのがトップの役目です。仕事をしてくれる従業員一人ひとりに、折に触れてトップ自ら感謝の言葉を伝えることはもちろん、昇給やボーナスなどで従業員の頑張りに報いるなど、様々な形で従業員に感謝を示すことができます。そうすることで、従業員のやる気が増し、チームワークが良くなり、仕事がスムーズに運び、その結果、お客様に感謝される好循環が生まれます。感謝の気持ちほどビジネス上大切なものはありません。
加えて、稲盛和夫氏の考えは、Web3時代にも通用すると考えられます。感謝の気持ちやチームワークの重要性は時代を超えて普遍的な価値があります。Web3時代では、分散型技術やブロックチェーンを活用して新たなビジネスモデルが登場していますが、それらも最終的には人々の協力と信頼関係に基づいて成り立っている。Web3の世界でも、お互いに信じ合い、感謝の気持ちをもって協力することが、プロジェクトやコミュニティの成功につながります。従業員や関係者に対する感謝の言葉や行動は、モチベーション向上やコミュニティの結束力を高めることになります。そのため、稲盛氏の考えはWeb3時代にも適用可能であり、今後もその重要性は変わらないと言えるでしょう。